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Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

2015年ベスト(ジャーマンブラック以外のブラックメタル)

2015年にリリースされたジャーマンブラック「以外」のベストを選出。

2015年リリース、再発を除く作品のみ。順不同。

 

* Cohol - 裏現

日本のブラックメタル、待望の2ndフル。1stに比べ格段にブラックメタル色が強くなった。暴虐ながらも緊張感があり、曲の完成度の高さが伺える。ドラムのテクニックがすごいのは勿論だが、その裏でギターが薄っすらとメロウなリフを奏でていてこれが最高にかっこいい。ジャーマンブラックのDer weg einer Freiheitに近い印象を受けた。自分の好みど真ん中な音であった。


* Crom Dubh - Heimweh

UKのブラックメタル。ジャーマンブラックメタルのような湿り気溢れる寂寥感が強いメロウなトレモロリフ主体で疾走するスタイル。とはいえ地味になり過ぎず、時折どこかポストブラックを彷彿とするような綺麗目なリフを入れてきたりして全く飽きずに聴き通すことができる。Vanからリリースされたのも納得できる非常に完成度の高い作品。


* Fluisteraars - Luwte

オランダのブラックメタル。個人的に2015年リリースのうち一位二位を争う強烈な作品。4曲いずれも大曲であり、展開も豊富。ジャーマンブラックの持つストイックさをより深化させた作風であり、薄っすらとメロウなトレモロリフ主体ながらも強烈な寒々しさが感じられる。今日サブジャンルが多様化したブラックメタルで、古き良きスタイルを保ちながらもここまで素晴らしい作品に昇華させたか…!と感服する思い。最高。


* Grieving Mirth - Calamitosvs Omine

メキシコ、US、UK出身の三者によるブラックメタル。これがまたかなり高品質なアトモスフェリックブラックメタルをやっている。時折ポストブラックを彷彿とする洗練さを感じるが、荘厳かつ寒々しい印象が強い。カスカディアンブラックに通じるものがあると思う。ドラマティックに展開するパートが多く、とても琴線に触れる。Fen + Panopticonをよりシリアスに仕立て上げたと形容できるような作品。Fen色が強いかな。


* Grimoire - L'aorasie des spectres reveurs

カナダのブラックメタル。Csejtheの中の人がやっている独りブラックメタル。彼にアトモスフェリックブラック作らせてカッコワルイもんが出来るわけがない。寂寥感と湿り気とドラマティックさが同梱する強烈なアトモスフェリックブラック。Csejthe他よりも疾走展開とスローな展開のめりはりが効いており、寒々しさをより感じることができる。間違いない快作。


* Haar - The Wayward Ceremony

UKのプログレッシブブラックメタルブラックメタルの寒々しさを忘れずに変拍子や多様な展開をばしばし入れてくる。何がかっこいいって地味な展開が主体ながらも要所でアトモスフェリックかつ薄っすらメロウな展開を入れてくるところ。ブラックメタルとしても十分かっこいい上にプログレッシブメタルの緊張感が聴かれる。あっという間にアルバムを聴き通すことができる快作。


* Movimento d'Avanguardia Ermetico - Torri del Silenzio

イタリアのブラックメタル、待望の3rdフル。本作は名門Avantgarde Musicからリリースされたが、それも納得の完成度の高さ。篭り気味の音質で鬱屈したメロウなトレモロリフ主体で疾走するスタイル。寂寥感・寒々しさ・鬱屈さ三拍子揃っている最高のプリミティブブラックメタル。このスタイルながら15分越えの曲が2曲もあり、それでも展開が練られていて全く飽きずに聴き通すことができる。本当に素晴らしい。


* Psychonaut 4 - Dipsomania

(初期)Lifeloverの後を継ぐ奴らはこのバンドしかいないと確信した前作からの待望の2ndフル。本作ではより鬱ブラックに傾倒したが、鬱ブラック/ロックとして最高にかっこよかった。初期Lifelover meets Katatonia。ポスト/シューゲイザーブラックに傾倒しない、あくまで本来の鬱ブラック路線を踏襲している素晴らしい作品。


* So Hideous - Laurestine

USのポストブラック急先鋒。シューゲイザーな甘ったるいサウンドかバースト系ポストロックの焼き直しみたいな面白くないバンドが量産される中、こいつらは相変わらず独自の路線を貫いている。シューゲイザー・ポストロックのテイストを踏襲した上で彼らはシリアスな逼迫感ある雰囲気を強く打ち出した独自の音を作っている。そこがとても良い。



以上、2015年リリースのブラックメタル音源のベストを出したわけだが。全体的な印象として、ジャーマンブラックメタルも素晴らしい作品が多かったが、それ以外のブラックメタルの作品の方が琴線に触れる素晴らしい作品が多かった。
どの作品も良かったが、なかでも特にFluisteraars、Movimento d'Avanguardia Ermetico、Psychonaut 4の三作が挙げた中のうちのトップスリーだと思う。はっきり断言できてしまうくらい、素晴らしかった。

2015年はとてもいい作品に出会うことができた。2016年も素晴らしいブラックメタルに巡り合えますように。