Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Lost Life - Decay Demo 2010

少し間が開いてしまいました。


ドイツのブラックメタル、2010年作デモCDR。バンドより直接購入。intro含めた4曲20分強。これまで1枚のスプリット(Infestusと!)、2枚のフルレングスを出していること、また2002年に1stデモをリリースしていることから古くから活動していることがわかる。言い忘れたが、関連バンドのThorngothやAmysteryのメンバが絡んでいる。

心臓の拍動のようなイントロを経た2曲目"Zerfall"から心を掴まれる。

Odalを代表とする初期ジャーマンプリミティブブラックを思い出す、薄っすらメロウながらも地味な作風は相変わらず。アルペジオにクリーンVoが絡むしっとりした展開から寂寥感を漂わせた寒々しいプリミティブブラックに雪崩れ込む。10分弱という比較的尺が長いこともあり、途中スローに転調するが、その後の疾走展開は更に地味。
関連バンドのAmysteryを彷彿とする。でも近年のThorngothほど色気はないという微妙な塩梅。

正直な話、リフは少ないしジャーマンブラックメタルで使い古された展開であり新しさは感じられないが、どうしてもぐっと来てしまう自分は病気なんだと思う。

3曲目"Demons Call"は2曲目同様のアルペジオ主導のゆったりとした展開から雪崩れ込むスタイルだが、よりメランコリックかつメロウなトレモロリフでスローに進行するスタイル。湿ったメロディがやはり琴線に触れる。

4曲目"Succubus"はより地味に初期Camulosを思い出すオールドスクールブラック。とはいえブラストを入れるところではいつものメロウなトレモロリフが炸裂する。個人的にこの曲が一番展開が好みであり、渋いと思う。

デモながらもプリミティブブラックの荒涼感(デモだからかもしれないが)は強く聴かれ、またこれまでのLost Lifeや関連バンドらしい音作り。前作と比べると音質が劣悪になった、というか初期に戻ったというか、そんな印象は受けたが。

Camulos、Odal、Amystery、Thorngoth、もしくはMortuus Infradaemoni(こちらの方がずっと荒々しいが、雰囲気が近い)といった元Lunar Auroraのメンバが絡んでるようなサウンドが好みであれば◎。勿論Lost Lifeファンは安心して楽しめる。昔スプリット出してたInfestusは最近知的になってきてるからちょっと印象違うかも。

なんでもかんでもOdal Odal 言いやがってと思ってるかもしれないが、正解。Odalは正義。

youtubeにupされてなかったので既発音源から。本作の4曲目なんかはこの辺の曲に近い。