Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Infesting Swarm - Desolation Road

ドイツのブラックメタル、2015年作1stフル。Harakiri for the SkyやAnomalieといった良い音源をリリースする同郷のArt of Propagandaよりリリース。8曲60分。

アーカイブスによるとポストブラックとなっているが、聴いた感想としてはどちらかというとメランコリック/メロディックブラックといった印象を受けた。

同郷のDer weg einer Freiheitを彷彿とするメロウなトレモロリフ主体の疾走展開が基軸。疾走展開の湿り気、メロウさは彼らのそれに近いものがあるが、彼らとの大きな違いはよりメランコリーな成分が強いところだろう。スローテンポ、ミッドテンポなパートではギターがとてつもなく寂寥感溢れるメロディを奏でる。この悲壮感強い展開と疾走パートのコントラストがドラマティックな相乗効果を生む。

11分ある2曲目の"Desperation"でそれを体感できる。そして曲を追うごとにメランコリー成分が加速していく。
また"Abandoned Life"では疾走パートで奏でられるギターのトレモロリフが悲壮感をぶちまけており、とても胸を締め付ける。そしてラスト2分の展開が神がかっている。これまで以上に寂寥感全開で涙腺を刺激する。

続く"Der Lauf der Zeit"も同じスタイルでメランコリックかつ濃厚なトレモロリフが支配する。どちらかというこのトラックはブラスト疾走展開が主体で、圧倒される。ラスト一分がそれでもなお加速するメランコリー。すごい。

いずれのトラックも悲壮感全開のメロウなトレモロリフで推すサウンド。一曲一曲のクオリティは大変高いが、アルバム通して同じ作風なので、後半になってくるとちょっと飽きてくるのがたまに傷。

Der weg einer Freiheit(特にEPの"Agonie"あたり)やNyktalgiaの2ndあたりが好みなら楽しめると思う。かなりクオリティ高い。

特に2つめの曲が素晴らしい