Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Kargvint - Seelenwerks Fortgang

ドイツのブラックメタル、2008年作。Kargvintの中の人が立ち上げたレーベルFimbul Productionよりリリース。現在ではもう潰れてしまったようだ。
本バンドは同郷のKlageとスプリット出してたりして一時盛り上がった気がしたがはてさて。KlageやKargvintは基本的にVinylリリースばかりなので手に入れることができなかったわけだが、本作はCDでリリースされたので購入して楽しむことができた。

内容は、ドイツ産らしい湿り気を帯びた胸を締め付ける儚げなリフが素晴らしい鬱系ブラックメタル。2曲目のタイトルトラック"Seelenwerks Fortgang"で早速堪能することができる。残り2分で切り込むピアノはずるい。涙腺直撃。このやるせなさは同郷のWigridやSelvmorrd、ハンガリーのMarblebogあたりを思い出す。

4曲目の"Reproduktionen (Schatten toter Mechanismen)"本作のキラーチューンであろう。デンマークのMake a Change... Kill Yourselfの2ndの1曲目辺りの絶望感にドイツ産らしい湿ったメランコリックなテイストを注入したかのような仕上がり。
2曲目と近い展開であるが、こちらの方がより逼迫した雰囲気を感じる。比較的単調な調子で進行するところがスウェーデンの鬱系ブラックのHypothermiaを彷彿とする。このバンドに逼迫した雰囲気とメランコリーを注入した感じといえばいいか。

奇数トラックはメランコリックな色は控えめでモノトーンに暗く疾走するスタイル。偶数トラックとは異なり荒涼とした空気感がまた良い。この音質だからこそ出せる雰囲気であろう。5曲目"Death-Yell"あたりの荒涼感はとても良い。同郷のKaltetodを彷彿とする。

上記に挙げたように、偶数トラックはWigirdやSelvmorrdあたりのジャーマンBurzumish BlackやHypothermiaのような鬱系ブラックを、奇数トラックはKaltetodあたりを思い出した。
また近いバンドのKlageと比較すると、Kargvintの方が鬱系に傾倒している気がする。
Happy Daysが流行る前の鬱系ブラックが好みである人はどうぞ。


メランコリックなブラックメタルはいいですね。