Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Hysterie - Diesseitswahn

ドイツのブラックメタル、2010年作。Mirrors of Lifeという、ZwenZの中の人がやっていたようなレーベルからリリース。あとはBeyond Helveteとかリリースしてなかったか?

して内容はドイツ産らしからぬ派手目なメロディックブラックメタルを展開。トレモロリフは湿り気があり薄っすら寂寥を感じさせるあたりドイツ産らしさを感じることができるのだが、非常にわかりやすいメロディックトレモロリフを主軸に展開。短い曲ながらも転調し、聞き手を飽きさせない。なんだろう、Der weg einer Freiheitに近い感じであろうか。

派手目に疾走する展開が主体の"Tage in Dunkelheit"、メロウながらも比較的地味にじっくり展開する"Diesseitswahn"、仰々しい展開から寂寥感を感じさせるメロウな展開に遷移する"Am Ende der Ewigkeit"、"Zeitentod"など、この手のメロディックブラックにしては曲毎に毛色が異なり楽しめる。
また"Trumer"では寂寥感全開の湿ったトレモロリフが楽しめ、"Wiederkehr"は1曲目のようなメロディックなリフで疾走する曲。

ラストトラック"Zyklus"は13分の大曲。アルペジオでゆったりと進行するイントロを経て、スペーシーなKeyがかぶさったアトモスフェリックな雰囲気を持つブラックメタル
曲のタイトルのせいか、そこまで似てないまでもLunar Auroraを思い出してしまう。
ミッドテンポで薄っすらメロウなトレモロリフで進行する...が9分辺りで爆走展開に遷移。これが薄っすらメロウなリフで疾走してすばらしい。
ラストの3分の胸を締め付ける寂寥感が強いアトモスフェリックな曲で〆るあたりも○。

ウェディッシュ系の輪郭のはっきりしたメロディックブラック好きも楽しめる完成度の高い作品。でも時折見せるリフはやはりジャーマンブラックのそれ(だと思う)。
近いバンドとしてはDer weg einer Freiheitあたりでしょう。このあたりのメロディックブラックが好きなら聴いてみては。

この辺りはストレートなメロディックブラック。

ラストトラック。神秘的かつストイックな展開がよく聴かれるのでこれ一番好き。