Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Infestus - The Reflecting Void

ドイツのブラックメタル、2014年作4th。前作同様フランスのDebemur Morti Productionsよりリリース。

初期の勢いあるメロウなプリミティブブラックから、作を追うごとに彼らのテーマであるDarkness, Deathをより理知的に深淵に迫るかのように推し進めた作風に変化していったわけだが、今作も更に深く暗い空気を出すことに成功している。

2曲目"Spiegel der Seele"はまさに今の彼らの完成度の高さを物語っている。暗くも湿り気あるジャーマンブラックらしいトレモロリフで展開していく。疾走展開一辺倒でなく、暗くミッドテンポで進行するパートもはさみ、曲の完成度はとても高い。スローに展開するところではよりリチュアリスティックになっており、ノルウェイジャンブラックのそれに近いものを聴くことができる。また、無骨に展開するのではなく、暗くも薄っすらとメロウなリフが聴かれるところが非常に素晴らしい。

続く"Constant Soul Corrosion"もまた同様の展開ながらも、より複雑な展開をしている。
"Cortical Spreading Darkness"はこれまでの展開の中にドラマティックに展開するパートを備え、とても琴線に触れる。特に5分過ぎからの展開がすさまじくかっこいい。ブラスト疾走をバックに寂寥感溢れるトレモロリフで展開する様に震える。まったく隙がないキラーチューン。ブラスト疾走展開のかっこよさ、そして寂寥感溢れるミッドテンポの展開に胸を締め付けられる"Devouring Darkness"もまた大変素晴らしい。

前作以上に静と動をうまく活用することで、更なる深化を遂げた快作といえる。また胸を締め付ける暗くも寂寥感ある展開が増えたようにも感じる。展開も豊富で、アルバム一枚をあっという間に聴き通すことができる。

近いバンドとして、高い完成度を保ちながらも暗く無骨なブラックメタルをプレイしている最近のHelrunarを思い出した。
この辺りのあまり色気を出さないストイックなブラックメタルが好みであれば楽しめると思う。

これがキラーチューンかな。どの曲も完成度は高いのでハズレはないと思う

こいつもまた最高にかっこいい。