Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Schattenvald - IV

ドイツのブラックメタル、2013年作4thフル。Kristallblut RecordsとObscure Abhorrenceの共同リリース。500枚限定デジパック

2008年くらいまで活動していて、しばらく音沙汰がなかった模様。ところが昨年あたりにOAPが過去作三作を再発し、随所で話題になっている?バンド。

内容はアトモスフェリックかつ荘厳な雰囲気を保ちつつ爆走する、シンフォニックなテイストのあるブラックメタル
冷たいKeyの音色と爆走するパートのコントラストが、初期Lunar Auroraを思い出すスタイル。疾走パートのトレモロリフもオールドスクールで色気がないのもこのコントラストを強調させることに寄与している気がする。

疾走するパートでも、ドラムとギターが主張する疾走パート、それとは逆にKeyが主張する疾走パートがあって、うまく使い分けられているところがおもしろい。

こういう荘厳に疾走する曲の中、二曲目"Die Letzte Reise"の中盤の途中、湿り気ある憂いのあるトレモロリフがぐっとくる。
また4曲目"Allfront"が特に初期Lunar Auroraに近いか。あのシンフォニックなところと疾走するところの緊張感というか。

いままでSchattenvaldは初期Lunar Auroraに近いバンドと思っていたが、6曲目"Der Verderber"は時折後期Lunar Auroraのそれを彷彿とする。Keyをより抑えたらMond期あたりのLunar Auroraですわなこれ。

Lunar Aurora亡き今、彼らの後を継ぐバンドなのではないかと期待している。なかなかフォロワーが出てこなかったこともあり、嬉しい思い。

というわけで、Lunar Auroraのようなアトモスフェリックかつシンフォニックなテイストのあるブラックメタルが好みであれば、楽しめると思う。

初期に近い感じ

後期に近い感じ