Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Seelengreif - Jenseits der Schatten

ドイツのブラックメタル、2006年作デモ。2007年にカナダのTour de GardeによりCD化再発。Odalのメンバーが絡んでいる。Mr. BlackMetalなTaaken氏も勿論参加している。
2011年にフルアルバムをリリースしているが、とりあえず今回はこのデモを紹介。

内容は湿ったトレモロリフで疾走するスタンダードなブラックメタル。この湿ったメロウな質感は初期Odalに非常に近いものを感じる(メンバがかぶってるので当たり前だが)。これに加えてきもち憂鬱な印象が強い気がする。

Seelengreifの真骨頂はアコギを組み入れるところであろうか。初期Drudkhを思い出すような(言いすぎか)秋の寂寥感を感じさせる。
今でこそアコギを使うのはさほど珍しくもないが、この時期でアコギをうまく使っていたのはあとは同郷のKlabautamannくらいであろうか。

また5曲あるうちの2曲はアコギのみのインスト。これがまたしっとりと聴かせて良い。Empyriumを思い出す。

キラーチューンは4曲目の"Schwarze Schwinge"だろうか。スローパートからしっとり始まり、徐々に寂寥感溢れるトレモロリフで疾走していく様は非常にかっこいい。ラスト攻撃的に転調するのもおもしろい。

近いバンドはアコギ繋がりで初期Klabautamannもいいかもしれない。もしくは初期Geist(現Eis)。Kermaniaなんかも湿った雰囲気は遠くないかもしれない。

本作を一言で形容してしまえば、アコギをうまく使った初期Odal。なので初期Odalが好きならば楽しめると思う。

ちなみに次作の方があざとくアコギを入れてくる。それこそKlabautamannっぽい。まぁまた別の機会に。

あぁOdal!Odal!いいよOdal!(違う