Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Heimdalls Wacht - Ut de graute olle Tied - Deel I

ドイツのブラックメタル、2008年作。7曲61分。ドイツのChristhunt Prod.よりリリース。このレーベル最近元気がない気がする。

内容は、ドイツ産らしいどこか神秘的で湿ったメランコリックなメロディで進行する。主展開はOdal系メロディックブラックながらもよりドラマティックか。寒々しさに加えMoonsorrowやAngantyrのような仰々しく展開するエッセンスも含んでいるようにも感じる。
LyricsのテーマにPaganismがあることから、曲の随所にオーオーとクリーンVoで歌い上げる箇所があるので、ここが好みの別れどころな気もする。

3曲目"Aufstand der Stellingas"のラスト5分くらいの疾走展開でメロディックなリフで徐々にドラマティックに盛り上がっていくところは本当に鳥肌が立つ。
キラーチューンである4曲目の"In des Herbstes kalten Armen"。4分過ぎからの胸を締め付ける切ないトレモロリフでドラマティックに疾走する様には号泣せざるをえない。そして同じ展開ながらも7分過ぎからのそれは更にドラマティックなギターを重ねてきて、ここで涙腺決壊する。寒々しいパートからの対比も素晴らしく、悶絶せざるをえない。この辺の展開はフランスのCelestiaの名曲"Spectra"を思い出す。
6曲目"Stimmen im Wind"でもこのような展開を聴くことができる。

このようにOdalあたりの寒々しいメロディックジャーマンブラックをベースに、扇情的なトレモロリフでドラマティックに切り込んでくる、ありそうでなかった絶妙なサウンドを展開。指折りのペイガンブラックメタルと言っても過言ではないように思う。

Odal、デンマークのAngantyr、メランコリックなところは同郷のAaskereiaなどを思い出した。この辺のサウンドが好きな人には文句なしにお勧めできる快作。Celestiaの"Spectra"で聴かれるような胸を締め付けるドラマティックな展開が入ってくるのにもポイント高い。

本バンドはこれまで5作ほどリリースしているが、本作3rdが一番扇情的なメロディをフィーチャーしていて素晴らしいと個人的に思う。


キラーチューン

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