Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Trauer - Haunting Shores

ドイツのブラックメタル、2009年作100枚限定ProCDR。6曲73分。TodeskultやTodessehnsuchtもやってるNeideck氏率いるバンド。同郷のNocturnal Empireよりリリースされた。

ドイツ産らしいどこか神秘的で湿った雰囲気を保ちながらメランコリックなトレモロリフでゆったり進行する鬱ブラック。悲哀に満ちていながらもどこか明るい雰囲気がするあたりスウェーデンのHypothermiaに影響を受けているように感じる。

1曲目のイントロを経た2曲目の"Someday"がキラーチューンであろうか。チリチリしたギターながらも明るく柔らかな音色でゆったりと真綿で首を絞めるかの如く進行する。特に5分過ぎくらいで入ってくるピアノが非常に良い。ノイジーなギターをバックに奏でられるピアノの音色が悲痛で胸を締め付ける。

他のトラックも陰鬱ながらどこか明るい雰囲気が強い自殺誘発サウンド。関連バンドのTodeskultは陰鬱なエッセンスはあるもののストレートなブラックメタルをやっているのに対しこちらは全力で鬱系。

鬱ブラックはBurzumやStridを発端に、Xasthur、Hypothermia、Happy Daysというように変化してきているが、今作は2000年台後半に流行った真綿で首を絞める系の鬱ブラックといったところ。
近いバンドとしては上述したHypothermia(特にKoldやRakbladsvalsen以降)、多大な影響を受けているベルギーのTrancelike Voidあたりが一番近い。
個人的には2曲目のピアノを大胆に入れた曲がよかったので、他の曲でも入れて欲しかった。

6分あたりから入ってくるピアノが良い

こっちもかなり優秀な鬱ブラック