Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Vulvark - s/t

ドイツのブラックメタル、2009年作。元NagelfarのSveinnが運営するドイツのVan Recordsより250枚限定Digibook仕様でリリース。8曲66分と大作。Nihilaz氏という強面の人の独りブラック。

寒々しくも暗く混沌とした雰囲気の中スロー〜ファストに展開するリチュアリスティックなブラックメタルをやっている。ドイツ産によく聴かれる地味メロウな展開もほとんどない色気のない背徳的真っ暗闇サウンド。
いずれの曲も混沌とした雰囲気で展開するので、特にどの曲が〜と言及はしない。が、混沌とした音の裏で非常にわずかながら時折ジャーマンブラックらしい地味な展開が聴かれるあたりがポイントだろうか。

近いスタイルのバンドとしては、今は亡きSatanic Propagandaモノを思い出した。あとはDodsengelやMareといったTerratur Possessionsが抱えているバンドのような、暗くリチュアルな雰囲気を強く打ち出したブラックメタルに近い。USのNightbringerをもう少し寒々しくRAWにした感じといってもいいか。もしくはレーベルメイトであるThe Ruins of Beverastにも近いか。あちらよりもVulvarkの方が疾走パートが多いが。

久しぶりに聴き直しているが、混沌美というか、素晴らしい。
間違いなく受けは悪いと思うが、ブラックメタルとしての完成度は高い。


大曲が多いなかこの曲は6分程度と聴きやすい