Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Faulnis - Gehirn zwischen Wahn und Sinn

ドイツのブラックメタル。自称Sick Black Artの人の2009年作2ndフル。ジャケは歌舞伎町との噂だが、そのチョイスが謎。

内容はドイツ産らしい儚げで神秘的な雰囲気を保ちつつ、ブラックメタル、ロック、ドゥームなど曲によって色々な顔を見せる感じになっている。

1曲目"MorgenGauen"、3曲目"Kopfkrieg"ではロックテイストが強く、アイスランドのSolstafirの最近の作風に近いものを感じる。湿ったメロウなトレモロリフが要所で聴かれるあたりジャーマンブラックなんだなと。

2曲目"Angstzustand"や4曲目"Weisse Wande"ではまったく異なる様相で、スローテンポでどんよりとしたドゥーミィなトラック。インスト部が多いが、途中遠くから苦悶が聴かれて雰囲気○。
5曲目"Landgang"もどちらかというとドゥームよりのトラックだが、トレモロリフが薄っすらメロウに主張しておりメランコリックブラックに近いテイストを感じる。また7曲目"Spiegel, Splitter, Schrott"はデプレッシブブラックな感じで、初期Shiningに近いか。

後半のトラック(6曲目"Traummer"、8曲目"Weltuntergang folgt")はこれまでの変化球とは打って変わってストレートなブラックメタル。憂鬱な雰囲気を存分に出しつつも、オールドスクールなジャーマンブラックという様相でかっこよし。

という感じで1st同様Sick Black Artの人は自由な感じでやっている。
近いバンドとしては、上述したようにロックテイストのあるトラックではSolstafirの近作にブラックメタルらしさを少し加えた感じか。またドゥーミィなトラックはぱっと近いバンドが出てこないが、葬式系かというとちょっと違うか。ブラックメタルなトラックは初期Odalあたりをもう少し地味にした感じか。

新譜は出ないのだろうか、そろそろ4年経つが…。

フルアルバム置いてあった。個人的には1曲目がオススメというか、こういうのやりたいのかなぁなんて。