Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Selvmorrd - Bis zum Ende

ドイツのブラックメタル、2006年作1st。Urkraftというところから500枚限定でリリースされた。ポスター付。
ちなみに昨年にメキシコのSMSから2ndがリリースされている。本バンドは以前紹介したGodless Crueltyの中の人がやってるバンドでもある。

2012年作の2ndの方が馴染み深いかもしれない。その2ndでは、憂鬱かつメロウなトレモロリフで疾走するジャーマンブラック、といったスタイルであった。しかし本作1stは2ndよりもずっと鬱屈した音を出している。

カラスの鳴き声のSEと寂寥感漂うピアノが強いIntroを経た2曲目"Vergessen fur alle Zeit"では2006年当時の鬱ブラックの空気が拡がる。中期BurzumやXasthur直系の陰鬱ブラック。
単なるフォロワーではなく、ドイツ産らしい神秘的な湿ったトレモロリフを詰め込んだメランコリックなサウンドを展開。ミッドテンポ〜ブラスト疾走をし、そこに化鳥系Voが乗る。ブラストの勢いある展開はGodless Crueltyの影響が感じられるか。4曲目"Winternacht"、6曲目"Tod"あたりも同じ路線。

5曲目のタイトルトラック"Bis zum End"は他曲よりも鬱屈したスローな曲。厭世感全開のギターが前面に出ており素晴らしい。やはり途中に憂鬱な疾走展開を入れるがそれがまた近年のストイックなジャーマンブラックやってるやつら(Klage、Kargvint、Kaltetodあたり)を思い出して○。

基本的にスカスカなプリミティブブラックな音質であり、時々地味にドラムとリズムがズレたりしてイラっとくるところに化鳥Voなあたりポンコツさを感じてしまうことも。鬱ブラックでポンコツなんて誰も喜ばないというのに。また急に疾走しだしたりスローになったり展開に違和感を感じることもしばしば。

似たバンドとしては中期Burzumや初期Xasthurをベースにした当時のNo Coloursが抱えていたバンド(Nae'blis、Sterbend、Nyktalgia、Nargaroth、Wigridなど)が好きなら楽しめる。またハンガリーのMarblebog(解散してしまったが)あたりも思い出した。あとは前述したEternity Records関係(Kaltetod、Klage、Kargvint)辺り。

とかなんだかんだいいつつも鬱ブラック全盛期である2000年代中期のBurzum直系の鬱屈した空気を感じさせるバンドは好きで、今でも愛聴しているのであった。


タイトルトラック。

この辺も○。