Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Fluoryne - Dammerung

ドイツのブラックメタル、2009年作フルレングス。Lost Souls GraveyardっていうAllvaters Zornってバンドの中の人が運営してる(た?)レーベルからリリース。Allvaters ZornはGrabnebelfurstenや、Kamera Obskurのメンバだったりするから有名か?

余談だが、当時Allvaters Zornの中の人からなんかCD買ったときに、「最近こんなのもあるんだ、どう?」みたいにオススメされてほいほい買った気がする。

本バンドFluoryneだが、2009年当時にしてはとても実験的なことをやっている。Secret of the Moonあたりを思い出す地味な色気のないトレモロリフで疾走することが主体のブラックメタルながら、色々な展開を入れている。

1曲目"Morgens"では、疾走展開、怪しげかつ神秘的なスローテンポな展開、聖歌?をクリーンVoで綺麗に歌い上げる一方でバッキングはノイジーなギターがジリジリいってたり、音質劣悪めのスラッシーなリフで疾走しだしたり、なんかとても混沌としている。この混沌さはDsOのそれとはまた違っていて、うまく言葉にできないがフランスのそれというよりやはりジャーマンブラックの混沌さというか、あぁわかった、地味なんだ地味、それだ(結局はそれ)。

2曲目"Fern"はアンビエントドローンとブラックメタル混ぜたような感じで、語りVo、ブラックメタル絶叫Vo、クリーンVoとパートによって使い分ける。前半はアンビエントドローンな感じが支配的で、思い出したときにブラックメタルらしいノイジーな展開が来る。曲の後半では湿った寂寥感あるメロディが聴かれよいよい。クリーンVoで朗らかに歌い上げたり、なんか頭良さそう。
3曲目"Unwetter"はミッドテンポでオールドスクールに展開する曲で、ストレートなブラックメタルという印象。

4曲目"De Profundis"は1曲目のそれに近いテイスト。オーソドックスなブラックメタル展開を基軸に転調し、中盤ではKeyの音色が寂しげというより怪しさを出し、バックではドローンのようなギターがうごめき、暗い荘厳さを感じられるというか、なんとも不気味な感じで○。7分過ぎのブラスト疾走展開がジャーマンブラックらしい神秘的なトレモロリフ主導でとても新鮮に聴こえてかっこいい。

作品全般的に、ブラックメタルはあくまでツールの一つであり実験的というか混沌としたことというか、そういううさんくさいことをやりたかったんだろうなと感じる。
頭良さそうな変わったことをやりたい、でも元々地味だからぱっとしない。うん、Prophecy productionsのサブレーベルのLupus Loungeにいそうなバンド。

さらに余談だが、買った後すぐに「聴いてくれた?どう?どう?色んなことに挑戦してるんだけど!感想聞かせて!」と感想をせがまれたことを思い出した。めんどくさかったから返信しなかったけど(酷い)。

なんか色んなことやってる感。でも頭良さそうに聴こえる。凡人だからこんな感想くらいしか...!