Frozen Land - Nostalgy
お久しぶりです。Twitter辞めたので手持ち無沙汰ということもあり、こっちを通常営業でやろうかなーと。
昨年1stフルレングスをリリースしたドイツのアトモスフェリックブラックメタル。
ドイツのブラックメタルは以前紹介したようにストイックというか、あまり自己主張しないタイプのサウンドが多い。アトモスフェリックブラックをやっているバンドではそれが比較的顕著であるように思う(あくまで私が好きなバンドに限る話だが)。
そんな中、本バンドFrozen Landはゴシックメタルやシンフォニックブラックメタルにも通じるかのような濃厚なメロディを取り入れつつも寒々しさを失わない、メロディックなアトモスフェリックブラックをやっている。
全ての曲がスローに展開しつつも、ギターがとても寒々しくもメロウなトレモロリフを奏でている。またVoもこの手のスタイルにありがちな遠くから聴こえるスタイルであるが、自己主張し過ぎず、寒々しさを助長しており、ブラックメタルにしては珍しくVoの必要性を感じた。全編通して同様のスタイルではあるが、アトモスフェリックかつメロウなブラックメタルが好きな方は1曲目"Farewell"で心を掴まれるであろう。また14分の大曲"Beauty and Ugliness"では歌詞のテーマであるHopelessness、Emptinessといった胸を締め付ける寂寥感を存分に堪能することができる。
"Lady in Black"は本作で唯一の疾走曲であり、最早ゴシックメタルのそれである。クリーンVoで歌メロもある。
同郷のWedardのスローな曲(特に初期)、もしくはフィンランドのVordvenを彷彿とする、メロディックかつアトモスフェリックなブラックメタル(あそこまでKeyが前面に推し出されてないが)といえばいいのだろうか。あとVoの逼迫感やや寒々しい曲調から、やはり同郷のColdWorldを思い出す(特に"TheStarsAreDeadNow"期)。
新しいことは何もやっていない、00年代前半〜中旬によく聴かれた初期アトモスフェリックブラックメタルのリバイバルとでも言えばいいのか。近年のシューゲイザー、ポストロック、ハードコアと接近したスタイルとは真逆の、あくまで寒々しさを追及したブラックメタルらしさを聴くことができる。
この曲聴いてファッ!?ってなったら買ってみてもいいのでは。