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ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Wigrid / Sunshine and Lollipops - Split the Indifference (Geteilte Gleichgultigkeit)

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ドイツのブラックメタルのスプリット、2014年作。
Wigridは当時のNo Colours Recordsの看板娘的存在のDSBM黎明期に活躍したバンド。およそ10年近くぶりに音源を出した。

Wigridは1曲のインストとブラックメタルトラックの計2曲を収録。
1曲目のインスト"Desoziierend"は、かつてのWigridが奏でていた儚げでメランコリーな曲。彼の2ndフルの大名曲、"Die Asche eines Lebens"をより朧げにしたかのようなサウンド。

ブラックメタルトラックである2曲目"Trostdistanz"。これがほんと素晴らしい。俺たちのWigridは10年経っても健在だった!
一言で言えば、消え入るかのような儚げなメロディをフィーチャーした初期Burzumishなブラックメタル
特に7分過ぎからの展開は聴いていてとても寂しくなって消えたくなる。これがWigridだ。安心して悲しみに身を沈められる。

DSBMは衰退した現在のブラックメタルシーンにおいても初期Burzumish BMをやっていてとても好感が持てる。
当時のNo Coloursお抱えのバンドサウンドが好きなリスナーは嬉しくなるはずだ。Abyssic Hate、Wigrid(2nd)、初期Nargaroth、Orenda、Sterbend、Nyktalgiaあたり。

スプリット相手のSunshine and Lollipopsはブラックメタルとクラストを混ぜたようなブラックメタルな曲展開でありつつもやけくそVoで突っ走るスタイル。これもなかなかかっこいい。あくまで曲はジャーマンブラックらしい硬派な印象を受ける。

両者まったく違うスタイルのブラックメタルで、なぜスプリット出したんだろう?と思ってしまう。鬱系もクラストパンクなブラックメタル;も両方が好きな人は作品全体を楽しめると思われる。

 

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