Porta Nigra - Kaiserschnitt
ドイツのブラックメタル、2015年作2nd。前作同様フランスのDebemur Morti Prod.よりリリース。Membarisのメンバーが絡んでいる。
前作ではアヴァンギャルドな側面がありながらもジャーマンブラックらしい湿ったテイストを聴かせてくれたが、今作では前作以上にアヴァンギャルド/プログレッシブ方面に傾倒している。
そっち方面に変化するのはいいのだが、いかんせんジャーマンブラックの地味さを際立たせる方にアヴァンギャルドなのでこれはなかなか聴き手を選ぶ気がする。特にタイトルトラックの"Kaiserschnitt"ではそれが顕著。"In Stahlgewittern"では前半は地味アヴァンギャルドだが、後半はトレモロリフが聴かれたりギターソロ入ったりで聴かせるパートも。
"Hepatitis Libido"では地味アヴァンギャルドな中に儚げなリフも時折聴かれたりしてどことなくA Forest of Starsあたりを彷彿とするも、やっぱり地味。
"Ich-Zerfall"あたりは変拍子な展開多めかつプログレッシブで、地味だけどなんかじわじわくる。
ラストトラック"Der lezte Ton"でまさかの湿り気たっぷり儚げなトレモロリフが支配的なブラックメタル。散々地味アヴァンギャルドが続いたからか、こういうジャーマンブラックなトラックがとても心に響く。彼らのやりたいことからしたら異端なんだろうけど、やっぱりこういうのが琴線に触れる。
全般的に奇跡の地味アヴァンギャルドブラック(ラストトラック以外)。一曲目"Die Mensur"なんかはドイツ版Peste Noireと形容してもいいような側面もあったりで、そこはいいのだが、他の曲の地味さを強調するアヴァンギャルドさがやはり厳しい感じがする。
新しいことやってる印象はあるが、どうにもこうにも…。
奇跡の地味アヴァンギャルド。
本作では異端のジャーマンブラックなトラック。