Thorngoth - Schwarz-Karg-Kalt
ドイツのブラックメタル、2013年作4thフル。同郷のFolter Recordsからリリースされたもんだと思っていたが実は自主制作なのかもしれない。
前作まではドイツ産らしい湿り気を帯びた薄っすらメロウだけどやっぱり地味なブラックメタルをやっていたが、今作ではメロウさ控えめで神秘的な側面を強く押し出してきている。シンセの音色が効果的なためか。
1曲目のタイトルトラックからそれを感じることができる。また2曲目"Im toten Feld der Wirklichkeit"では2分あたりからのブラスト疾走展開がかっこよい。メロウさは控えめで地味だが、リフが大変自分好みで琴線に触れる。
4曲目"Todesschrei der Materie"もオールドスクールな展開とこれまでの彼らが得意なメロウな展開の対比がかっこよい。
いずれの曲も完成度は高いものの、曲を追うごとにどんどんオールドスクールに地味になっていく。あぁジャーマンブラックメタルだなと感じる。
そんな中ラストトラック"Alles ist erstarrt"は神秘的に疾走する曲が戻ってきて、かっこよし。やっぱり少しくらいオカズは欲しいなぁと思う次第。
という感じで、あくまでオールドスクールなブラックメタルが基軸にある印象。同郷のMembaris、もしくはInfestusあたりに近い印象を受ける。特に前者に近いか。W.T.C.が好きそうな音。
また一曲5分〜6分程度とコンパクトにまとめられており聴きやすいのが良いが、いかんせん地味なのできちんと集中して聴かないとキラリと光るところを聞き逃してしまって印象に残りづらいから注意。ジャーマンブラックによくある。
なにはともあれ、これまでの三作のフルアルバムを受け、より地味に無骨に深化した快作である（褒めてる）。
地味（よいよい、と読みます）
地味②（よいよい、と読みます
