Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Lost Life - Wrecked Human Deathcult

ドイツのブラックメタル、2008年作2ndフル。以前2010年デモについて感想を書いたように(http://d.hatena.ne.jp/DesolatedLife/20130405/1365182762)ThorngothやAmysteryのメンバが絡んでいる。

いつもどおり安心できる薄っすらメロウな地味ジャーマンブラックをやっている。
一曲目"Atrocious Pleasure"ではアコギによるしっとりとした導入の後に寒々しく疾走する。甘くなりすぎずでもほのかにメロウでバランスがいい。4分過ぎに再度アコギによるスローな展開を経た後に徐々に疾走しブラスト展開に雪崩れ込むところが素晴らしい。これぞLost Lifeといわんばかりの絶妙なとこを突いた地味な曲(絶賛してる)。
3曲目の"Deathcult"なんかもオールドスクールで基本的に色気ないんだけどよくよく聴くとメロウなあたりにくい。6曲目"Genocide"あたりもそんな感じで渋い。

そして本作でもうひとつの目玉?と言うべきかなんというか、ラストトラックでSilencerの"Death - Pierce Me"のカバーをやっている。ここにきてなぜSilencer?と思ってしまうが、想像以上に忠実にカバーしている。演奏はこちらの方が迫力があるようにも感じられる。問題?のVoはやはりNattramnには及ばないまでも鬼気迫る感じで良い。逆にVoに耳をひかれない分ブラックメタル曲としてのかっこよさを実感できる。

というわけで地味なジャーマンブラックメタルが好きな人は楽しめると思われる。関連バンドのAmysteryやThorngoth、Lunar Auroraの元メンバがやってるOdem Arcarumあたりがやはり近い。スプリット相手でもあったInfestusも近い気もするがLost Lifeの方がより無骨。
この手のバンドが好き、もしくはSilencerに目がない人はどうぞ。


1曲目。

Silencerカバー。