Suicide Solution - To Welcome Death (By Heart and Soul)

ドイツのブラックメタル、2008年作。同じくドイツのNS系レーベルNebelfee Klangwerkeよりリリース。当時送料が無駄に高かった記憶。

バンド名からだと鬱系かと思うが、意外とストレートなブラックメタルをやっている。気が滅入る憂鬱なギター、スロー〜疾走、時々ブラストするドラムが聴かれ、どちらかというとオーソドックスなジャーマンブラックメタルのスタイルに悲壮感を追加した感じか。1曲目"Dust"あたりはまさにそんな感じ。

2曲目の"Words of Suicide"も初期Odalを気持ちストイックにした感じというか、近年のThorngothあたりを思い出すジャーマンブラック。その一方で残り2分で一転してスローに転調し、突如メランコリックなトレモロリフでドラマティックに疾走する。メランコリックかつドラマティックで非常に素晴らしい。この後半のドラマティックに展開する様は同郷のWehmutを思い出した。

打って変わって3曲目のタイトルトラックや5曲目"Obedience"は鬱系ブラック。スロー主体であるものの時折疾走もするから気が抜けない。楽曲に胸が締め付けられる厭世メロディを存分に堪能することができる。かといってよくある単調な展開で終わる鬱ブラックとは異なり、様々な展開をするところが○。
また一番陰鬱度が高いのはラストトラックの"...Void..."。2分程度と短いながらもMake a Change... Kill Yourselfに近い強力な絶望サウンド。

というわけで本バンド（特に本作）はオーソドックスなジャーマンブラックと鬱系ブラックの両軸ある印象。上述したように、ブラックメタルなパートはOdalやThorngoth、メランコリックに展開するパートはWehmutを思い出す。もしくはスウェーデンのWaning（ただし1st期）あたりの厭世感があるものの展開豊富なブラックメタルか。

個人的にはかなり好きな音源。

後半のドラマティックなとこが○。