Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Morphinist - Nebulae

ドイツのブラックメタル、2013年作。最近カナダのHypnotic Dirge Recordsと契約したプログレッシブブラックGalaktik Cancer Squadの人の別プロジェクト。自主制作、2曲51分。

本作は完全なインストアルバム。アルバムタイトルや曲名を見ると想像できると思うが、スイスのDarkspaceを皮切りに細々と広まってきた宇宙ブラックをやっている。
かといって彼らのような暗黒宇宙感を出してるわけでもなく、ジャーマンブラックらしい薄っすらとメロウなトレモロリフ全開で突っ走る割と色気のあるサウンド。
宇宙の深遠さを表現するかのような暗くゆったりと展開するスローパートを適宜はさみ、寒々しくもメロウな疾走パートをより際立たせている。ただやはり疾走パートは一定の調子の打ち込みにギターが絡む展開と一本調子なので割と飽きる。

その一方で、27分もある嫌がらせともいえる2曲目"Kassiopeia, 1572"は聴きどころがある。1曲目同様トレモロリフで疾走する展開が主体ではあるものの、要所要所でRPGのラスボス戦を思い出すようなドラマティックな展開を差し込んでくる。7分半、18分、そして23分くらいでトレモロリフ主体の展開から一転して刻み先行の展開になる。これがなかなかドラマティックで聴かせる。このパートが非常に良いアクセントになっており、27分あっても飽きずに聴くことができる。

近い音としては、関連バンドのGalaktik Cancer Squad(というより別プロジェクトにする理由がよくわからない)、もしくはDer weg einer Freiheitのようなメロディックトレモロリフが支配的なバンドあたりが好みであれば楽しめると思う。
2013年にデモ含めやたらとたくさんの作品をリリースしており、また作品によって作風が違ってきたりするので色々楽しめる。

27分と長いけど聴きごたえある宇宙ブラック