Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Gram - May I Never Hear Your Voices Again

ドイツのブラックメタル、2009年作。当時中国、現在スウェーデンのTemple of Torturousよりリリース。たしかToTの最初のリリースだったような記憶。

内容はメロディックなジャーマンブラック。1曲目"Tired"から寒々しくもメランコリックなトレモロリフ主体に疾走する。「Wilde Kraft...」期のOdalタイプのサウンドで素晴らしい。

そんな1曲目から打って変わって2曲目の"Artemisia Absinthium"ではVitsausあたりを彷彿とするフィンランド産を彷彿とする寒々しくもノリノリな展開にちょっとびっくり。
3曲目のタイトルトラックは最近のAbsurdを思い出すノリノリな展開から始まり、そこから一転して最近のOdalを彷彿とする寒々しくも湿ったメロディで疾走する。いずれの曲もかっこいいが、このタイトルトラックが特に琴線に触れる。続く"Leave"も同系統のトラックでこちらも素晴らしい。さらに7曲目"Tropfenschlag"はよりギターがメロディックで、途中転調するため他のトラックよりも聴かせる。

いずれのトラックもこのようなストレートなジャーマンブラックをやっている。一曲一曲も5分程度でコンパクトにまとめられており、聴きやすいところもよい。
ただどのトラックも同じ系統なので聴いていて飽きてくるのが玉に瑕か。メロディのセンスが良いので、スローな曲を入れてもよかったのではと思う。

近いバンドとしてはやはりOdalが一番か。寒々しくも湿ったメロディで疾走する王道一直線。でもそれがかっこいい。

Odal万歳なサウンド