Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Wolfshauch - Form-Mensch

ドイツのブラックメタル、2010年作。ドイツのFog of the Apocalypseよりリリース(最近元気ない気がする)。Animo Aegerにもちらっと参加したことあるようで。

このWolfshauchは2008年にCD化再発されたデモ音源(Des Scheintoten Sicht)ではノイジーなギターが先導するモノクロームな展開、そして時折切り込んでくる神秘的で薄っすらメロウなトレモロリフがすばらしかった。

で、これに対し今作1stは、前作よりもよりダークにモノクロームになった印象が強い。基本じっとり真っ暗闇なリフで展開し、要所要所でブラストをバックにモノクロで色気のないトレモロリフが主張する展開。スロー〜疾走と緩急ついているため曲構成が練られている印象。

13分近くある大曲"Von Bindungskot und stinkender numina-Vernichtung"でこの豊富な展開の真価が発揮される。真っ暗闇にスロー〜疾走し、変則的にドラムがブラストするからついつい耳をひかれてしまう。この不規則な打ち込みが入る展開が真っ暗地味ながら非常に中毒性が高い。

この真っ暗闇かつ不気味なテイストは、USのNightbringerのカチっとしした真っ暗闇感ととポルトガルのDefuntosのどろっとした不気味感を7:3くらいで混ぜたような感触。もしくはスウェーデンのGrifteskymfningまわりから神秘的な展開を根こそぎ奪ったかのような。
あとはかつて参加していたAnimo Aegerをアヴァン方向に深化させた感じ・・・というか最近のAnimo AegerがまさにこのWolfshauchからモノクロームさを除いたジャーマンブラックな感じか。

ジャーマンブラックでこの手のスタイルのバンドはあまりない感。なんともいえない暗く不穏でアヴァンなブラックが気になる人は楽しめるかもしれない。

よくよく聴くと中毒性が高い(気がする)