Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Infestus - Worshiping Times Of Old

ドイツのブラックメタル、2004年作1st。2nd以降大手?のDebemur Morti Prod.より作品がリリースされている。今作1stは自主制作で、当時探すのがかなり大変だった記憶。

内容は最近の彼らの完成度の高い頭のよさそうな作品とは多少異なるものの、その引き出しの多さを感じ取ることができるジャーマンブラックをやっている。

Introに続く"In Darkness You Shall Follow"では、鬱屈とした暗い雰囲気を保ちながら薄らメロウに展開する。彼らが持つこの鬱屈した暗い雰囲気はこの頃から聴かれる。あくまで初期Odalに通じるメロウなサウンドだが、に仰々しく展開したりと5分半程度の楽曲の割に比較的展開が豊富。4分半からの胸を締め付けるメロディでドラマティックに展開する部分は特に素晴らしい。

3曲目"The Final Chapter"は2曲目よりもメロウさは控えめで神秘的かつメランコリック雰囲気が強く出ている。デプレッシブなそれではなく寂寥感が強い。前曲ほど展開は豊富ではないものの、この寂寥感は琴線に触れる。

5曲目"Moral Abyss"なんかはこれまでと雰囲気が異なり、暗く地味な側面が強い。それでも単調にならずきっちり聴かせるあたり曲の完成度の高さが伺える。

8曲目"Northern Fortress"、9曲目"Animus Impurus"は割とオーソドックスなジャーマンブラックメタルといった様相。それでもスラッシーなリフが聴かれたりオールドスクールな展開を組み入れたりとやはり展開が豊富。

近年の彼らの作風から見ると荒削りな印象はあるものの、この頃から引き出しの多さを既に感じとることができる。曲内での展開の豊富さ、アルバムを通して一辺倒の展開にならないあたり流石。

Infestusを追いかけている人、もしくは同郷のOdalやThorngoth、Lost Lifeなどが好みの人は楽しめると思う。

これしかなかった。やはり1曲目が一番のキラーチューンかなと思うだけに残念。