Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Aaskereia - Dort, wo das alte Bose ruht

ドイツのブラックメタル、2011年作自主制作フル。元Brocken MoonのVoのGrim先生がいらしてるバンド。
本作は2004年に出したEP以来の作品であり、2005年から2010年にかけてレコーディングされた曲で構成されている。余談だが購入した当時1st再発のお願いしたらスルーされた思い出。

内容はこれまでと変わらず寒々しいトレモロリフとアコギの二軸が主だったドイツ産らしい湿ったブラックメタル。Grim先生の悲鳴Voはいままでよりも控えめな気がしなくもない。前作のEPで聴かれたクリーンVoも今作では色々な箇所で登場。

2曲目"Die Waldteufel"ではOdalよろしくな哀愁漂うメランコリックなメロディで疾走する曲で大変素晴らしい。彼らの持ち味であるアコギも良い味をだしており○。
5曲目"Pestritt zu Hel"は本作のキラーチューンであろうか。前EPを彷彿とする寒々しくもメランコリックなトレモロとアコギが寂寥感を前面に出しており、それに乗るGrim先生の化鳥Voも際立っている。2分過ぎのブラスト疾走が非常に素晴らしい。
"Der schwarze Wald"はこれらの曲よりも勢いがあり、メロウさも比較的控えめなところがかなり自分の好み。曲の合間に入るアコギとベースでスローに展開するところも素晴らしい。
ラストトラックはこれまでの集大成といっても過言ではない、12分の大作。

相変わらずのAaskereiaな作品でAaskereiaファンは納得したはず。メタルアーカイブスだとペイガンブラックとなっているがペイガンぽさはほとんどなく、湿ったメランコリックなリフがたまらないジャーマンブラック一直線。

近いバンドとしてはやはり同郷のバンドが多く思いつく。上述したOdalをはじめ、Seelengreif、Brocken Moon、Heimdalls Wachtあたりであろうか。
自主リリースであるが当時は色々なディストロで見かけた、が、最近はあまり見かけなくなってきた気がしなくもない。でもドイツのショップ探せば多分まだある。