Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Scarcross - Freidenker

ドイツのブラックメタル、2011年作1st。5曲48分。メンバ構成的に皆大好きドイツのヒーゼンブラックWaldgefluster関連の別プロジェクトとも見れるか。

Waldgeflusterで聴かれたような神秘的で湿った非常にメロウなリフを軸に疾走する展開、ゆったりとしたInterlude的な展開、メタリックな刻みリフでテクニカルに進行する展開と、ころころ転調する、所謂プログレッシブブラック。

1曲目の"Der Fluss"は比較的ストレートなブラックメタルな側面が多い。とはいえプログレッシブブラック、Waldgeflusterを彷彿とする湿ったメロディックトレモロリフで疾走する展開が主である一方で、テクニカルメタルのような展開をところどころで見せ、緊張感が感じられる。これ以外にもクリーンVoで歌ったりアコギが入ってきたりと、9分弱の尺の中に様々な顔を見せてれる。

続く2曲目"Des Freidenkers Grab"は16分、3曲目"Pfades ins Nichts"は12分の大曲。これらはまさにプログレッシブブラックとしか形容できないほど、1曲目以上に様々な展開を聴かせてくれる。1曲目のような神秘的かつメロウなトレモロリフ主導の展開、ノルウェイジャンブラックのような展開、低音効かせた刻みリフが主体のデスメタルで聴かれるような展開、変拍子にテクニカルにめまぐるしく入れ替わる。
他曲も同様だが、ラストトラックだけは2分半程度のしっとりとしたアコギとKeyで構成されたアウトロで、知らず知らずに緊張感を持ってしまっていた心を落ち着けることができる。

というわけで高品質なメロディックプログレッシブブラックメタル。数は少ないがいくつかプログレッシブブラックを聴いた中だと、フランスのVehementer NosやフィンランドのIkuinen Kaamosやそれ以上のレベルの高さを感じた。ブラックメタル度控えめ+メロデス要素追加してやり過ぎると初期Opethみたいになるかな?ただプログレッシブデスの要素はなくあくまでプログレッシブブラックなので、プログレメタル、ブラックメタル両方好きな人向け。

あぁプログレッシブジャーマンブラック。