Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Die Toten kehren wieder mit dem Wind - Ich Traume von Finsternis

ドイツのブラックメタル、2010年作。一年位前からやっとPaypalが使えるようになったKarge Welten Kunstverlagよりリリース。どうでもいいけどVargnatt再発まだですか。

ドラムが打ち込みであることがあからさまな独りプリミティブブラック。また一発撮りしたかのような印象というか雑さのようなものも感じられ、もう少しなんとかならなかったのかと思ってしまう。Voも引っ込み気味なのでもう少し前に来てもいいように感じた。

ではあるが、ギターのトレモロリフが神秘的かつ湿り気を帯びており、Karge Welten印のメロウなジャーマンブラックメタルなところが◎。レーベルメイトのVargnattの最近のEPに近い雰囲気を感じることができ、Vargnatt好きの私としてはたまらない。また単調なトレモロリフ主導の展開だけにならず、時折ギターが泣いているのも特徴か。

2曲目"Morar: Ich traume von Finsternis"からそのギターの神秘的なトレモロリフを堪能することができる。続く3曲目"Herbst I"では神秘的なトレモロリフから寂寥感すら感じることができる。ただリフも好きだし程よくメロウなあたりが地味で好きなのだが、聴いていて途中で飽きてしまうことも。

4曲目"Ritual: Mittsommerende"、5曲目"Illum Opportet Crescere, Me Autem..."、6曲目"Herbst II: Wehmut"あたりではスローかつ地味に、でも仰々しく展開し、地味なペイガンブラックを彷彿とする側面も。

冒頭でも書いたが、単調なドラムの打ち込みや音質の劣悪さがプリミティブブラックのチープな部分を際立たせており、そこが非常にもったいなく感じた。これは個人的にKarge Weltenがリリースするジャーマンブラックが好きだから、と言われるとその通りやもしれないが。レーベルメイトのVargnattのように録音にもう少し気を使えなかったのかと思ってしまう。

また本作前半部と後半部で色が違いすぎて困惑せざるをえない。なにかテーマがあるのだろうが、ドイツ語なので当然わからない。ラストトラック"Chthonos"が両方のテイストを混ぜたような曲ということもあり。

同郷のバンド以外だと、リフが冷たくも神秘的なあたりからカナダのForteresseを思い出すこともあった(特に前半)。展開の単調さだとあちらの方が、録音の劣悪さだとこちらが、といった印象(褒めてない)。

耳障りの良い2曲目を紹介。