Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Hamleypa - Aus Augen wie Tau ein Feuer entfacht

ドイツのブラックメタル、自主制作デモCD。2010年作。7曲36分。当時試聴してカッコイイと感じて勢いでバンドに連絡して購入した作品。

して内容は、ドイツ産らしい湿った寂寥感全開のトレモロリフを詰め込んだしっけしけで素晴らしいメロウなジャーマンブラック。

アコギ一本のイントロトラック"zum Ursprung"を経た2曲目"Tore zu den Sternen"では、どこか霞がかかったメランコリックなトレモロリフが支配的なトラック。初期Odalをもっと湿らせたらこうなるかなってくらい。でも特に展開せずに突っ走るので、メロが強めということもありちょっと後半では胸焼け気味。
続く3曲目"Ewighain"も同様のスタイル。ただこちらはミッドテンポでゆったりと進行するトラックで、寂寥感が強く打ち出されてる印象を受ける。寂寥感強いメランコリックブラックでよい。ところでスネアの音がなんか変じゃないか?

雨音SEが入ったインスト"Umkehr"、湿り気を帯びながらも優しくゆったりと展開する"Heimaterde"、そしてキラーチューン、"...und nichts ist geblieben"へ。

当時これを聴くためだけに買ったようなものなので、やはり言及しないわけには。イントロから寂寥感全開のメランコリックトレモロリフを奏で、徐々にエネルギを溜め、2分過ぎから疾走していく様は非常に素晴らしい。鬼気迫る絶叫Voもバックの湿った曲との対比で非常に良い。そして6分過ぎの疾走展開が今まで以上に寂寥感全開で非常に◎。
ラスト"vom Ende"はピアノによるアウトロ。これもまた胸を締め付けるピアノの旋律が素晴らしい。

近いバンドとしては、同郷のAllmacht、Epithalium、リフの湿り気の強さではオーストリアのTrollskogenの2nd、3rdあたりに近い印象。初期Nargarothを思い出さなくもない。

まだデモ音源ということもあり、展開やメロディがいささか単調な印象を受けてしまい、聴いてて飽きてしまったのが残念ではあるものの、今後に期待・・・してたけどあれから音源出てないようで悲しい。

これがキラーチューンだと思う。