Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Epiphanie - Fragmente: Von Lebenslichtern und den Liedern toter Kinder

ドイツのブラックメタル、2010年作デモCD in DVD case。CDRだったかも。どうでもいいがジャケのお姉ちゃんの脇がGood。皆大好きDer neue Weg Productionsがリリース。Garden of Grief再発して&CDで出して。
本バンドは2011年にもCDEPをリリースしているが、こちらの方が尺が長いので今回はこちらを紹介。

内容はドイツ産らしい湿ったメロディに寂寥感を存分に詰め込んだメランコリックプリミティブブラック。劣悪な音質でシャリシャリするギターながら、トレモロリフは厭世感に満ちており、聴き方によっては鬱ブラックのそれである。絶叫Voは前面に出すぎというか、もうちょいミックスなんとかできなかったのか。このポンコツでシャリシャリしながらもどこかメランコリックなブラックというと、フランスのDysterあたりのデモを思い出す。

4曲目の"Die morsche Hand"、5曲目の"Keine Trane"なんかはオーソドックスな(2000年代前半期の)鬱/プリミティブブラックである。誤解を恐れずに言うなら、Abyssic Hateの「Suicidal Emotions」あたりを思い出す。もしくは同郷のNargarothの同時期くらいに出た「Geliebte des Regens」とかも。これらの作品ほど完成度も高くなく荒削りな印象は否めないが。
6曲目"Glanz der Heimat"がトレモロリフがなかでも鬱々しくも綺麗であり、胸を締め付ける展開が聴かれる。

なんというか、Der neue Wegが目をつけそうなとってもニッチなことやってるバンドだと感じた。上述した昔のNo Coloursがリリースしていた鬱/プリミティブブラック系が好きなら楽しめるかもしれないが、無理には勧めない。もう少し音質がよければまた聴こえ方が違ったのでは、と思った。

次作である1stEPの曲しかなかった。今回紹介したデモよりもこっちの方がずっとかっこいい…!なんかKargvintっぽいねこの曲。