Somber Atmosphere

ドイツのブラックメタルの感想を載せています

Wolfhetan - Was der Tag nicht ahnt

ドイツのブラックメタル廃人Taaken率いるOdalにドラムとして在籍するWolfhetanがやってるブラックメタル、2012年作2ndフル。デジパック高いからやめてくれよ!

2006年に出た1stフルではオールドスクールブラックメタルに弦楽器の音色を組み合わせたサウンドであったが、本作では近年のEnslavedに通ずるプログレッシブなブラックメタルをやっている。7曲72分というやたらめったら尺が長いのもその辺からきているのだろーか。

プログレッシブな方向に進化した一方で、ジャーマンブラックメタルらしい湿ったメロウな質感は保ち続けており、非常に完成度の高い作品になっている。特に大曲がいずれも素晴らしい。13分の大曲である1曲目"...in die Stille der Zeit"、3曲目の"Volkommenheit"、タイトルトラック"...Was der Tag nicht ahnt"あたりは曲の展開・構成なども非常に練られており、メロウなトレモロリフも絶品でケチをつけるところが見当たらない。また4曲目"Eispalast"は本作の中でも一番メロウであり、5分過ぎ、7分過ぎの疾走展開は涙腺に直撃する。というよりぶっちゃけ捨て曲がない!

何度も繰り返し聴くにつれてどんどんその味が出てくる、大変素晴らしい作品。
ジャーマンブラックメタルが好きな人というよりはメロウなブラックメタルが好きでありかつプログレッシブな展開美に惹かれる人にオススメしたい。

イイネ!